意外と見落としがちな賃貸経営 part1
長く住んで頂くために出来る事と周辺の賃貸事情
本日は物件紹介ではなく、意外と見落としやすい賃貸経営になります。
主に借主が入居された後のお話になります。
入居後いかに長く住んで貰えるかが賃貸経営を成功させるのは当たり前ですね。
せっかく待ちに待った入居者が決まって、入居後のケアなどはしっかり出来ておりますでしょうか?釣った魚にはエサをやらない。といったスタンスの貸主も居られるそうですが、そんなことでは愛想付かされて出て行かれるどころか、最悪、内容によっては訴訟なんてことも!!
昔までは貸主の方が力をもっており、”住まわせてあげている”という時代でありましたが、現在は完全に逆転してしまっております。
条件・初期費用が下がったことと、物件の過剰供給のおかげで、借主の選択肢は広がる一方です。
そこでスタッフ大谷が普段の管理活動で貸主・借主と接しているうちに気が付いたこと2点をこの場で綴りたいと思いますので参考にしていただけると幸いです。
・不具合などが生じた際
・長年入居されている借主からの値下げ交渉
設備の不具合等が発生した際の対応
家・設備に関することは、自分の中では経年劣化であれば、負担は貸主、入居者の故意過失が原因であれば、負担は借主という認識になっております。
ただ偶に経年劣化による損耗でも、良い商品を入れているのだからそんな簡単に故障・不良が起こるわけが無い、入居者が雑に使ったからに決まっている。と断定してしまう貸主も残念ながら存在します。
確かにグレードの高い商品をお持ちですと、頑丈で長く使えるイメージはあると思いますが、高級・有名メーカー=頑丈・壊れない なんて先ずありえないです。
普段から管理している立場なので、不具合が発生した設備などをかなり見てきましたが、確実に言えることは半永久的なものは家も含めて存在しません。使用頻度にもよりますが、大体10年過ぎれば不具合が出てくる製品がほとんどだと認識しております。普段から頻繁に使用する水周りなどはこれより劣化による不具合が早い段階で発生するケースが多いです。
特に築10年以下の賃貸物件を所有されている方は、10年経過する頃に不具合の数が一気に増えてきますので、驚かれないように。
まだ新しいはずなのに。と思うかもしれませんが、10年も経てば水漏れ・エアコン・給湯器・ガスコンロの不具合なんてざらです。
ここで大事になるところは、迅速に貸主には手配・対応をしていただくことです。
これをしてあげると、殆どの入居者は貸主に感謝します。ただこれは鮮度が大事になりますので、早ければ早いほど良いです。中には賃料払っているから当然だ!という人もいますが。。。
何から何まで面倒を見てあげる必要はないですが、本来は貸主で修理をしなければならない箇所で対応に渋っていると思われたら、入居者の中には、ここの家主は直す気が無いのではないかと思う方もいます。そうなると不安を与え、長く住むつもりであっても愛想をつかされてしまい、予定していたよりも早く引越しを検討してしまう原因にもなりかねません。
不具合が発生した際の対応の悪さ、何もしてくれない。を理由にお部屋探しに来られるお客様はたくさんおります。
入居後の故障・不具合の対応も投資
今は西宮北口周辺でも、今まで退去後すぐに決まっていた所謂“決め物”と言われる物件でさえ、タイミングを逃せば半年近く空くことは珍しくなくなりました。
仮に家賃が10万円だとして、半年も空かれたら60万円です。
次の募集の際には以前の賃料では借り手が付かないため、募集条件を下げることも珍しくないです。しかも、次回、賃貸で貸すにあたって、もし以前の入居者が主張していた場所があれば修理・交換等をしなければなりません。決まれば仲介業者へ広告料を支払うことになります。この時点でかなりの金額です。
似たような物件なんてあふれている
余程、特殊な物件ではない限り、似たような物件は溢れております。
駅周りには新築・築浅の分譲・賃貸マンションでいっぱいです。
年数が経った物件は生き残りを掛けて、リノベーションをして現状の賃料を維持。そのままの部屋に関しては賃料を下げますので、何もしないでいると取り残されてします。
今はポータルサイトで募集されている物件を手軽に見ることが出来ますので、1度お持ちの物件周りの状況を調べても良いかも知れません。
入居者からの賃料交渉に応じるべきか?
最後になりますが、入居期間が長い方から、賃料を安くできないか?という連絡もあったりします。
これは居住年数・現在の家賃・物件にもよって様々な意見があると思いますが、私は、もし多少なりとも余裕があるのであれば、相手の希望の額でなくても良いので下げてあげたほうが良いと思います。そうすれば、それ以降も継続して入居してくださる方が多いと思っております。
繰り返しますが、貸主にとって一番利益になることは、入居者には1ヶ月でも長く住んでもらい、入居者の入れ替わる頻度を少なくすることです。
交渉は退去の兆候?
逆に値段交渉に応じなかった場合は、必ずしも退去に繋がる訳ではないです。しかし、先ずそのようなことを言ってくる時点で、何かしらのことを模索していると考えられます。
経験上、自宅の購入若しくは住み替えを検討されている方が多いです。
会社からの補助金が打ち切られるから、今の家賃の支払いが厳しいので、賃料の安い物件に引っ越す場合もあります。
ただ引越しは費用と手間が付きまとうので、もし今住んでいる家の家賃が下がるようであればこのまましばらくお世話になろう。という選択肢も出てくることあります。
なので、その物件が余程の決め物で無く、今までの賃料で確実に貸せるものでない限りは、多少なりとも応じてあげたほうが良いでしょう。
最後に
今日の話は以上になりますが、ポスティングなどをしておりましても、空室のテープが貼ってある物件が1棟に付き2.3室ある場合が殆どで満室稼動している物件なんてひょっとすれば無いのでは?と思うときさえあります。
空室を埋めることも大事ですが、同時に入居者に出て行かれないように努力をするのも大事だと思っております。誰も不具合を何とかしてくれない物件には住み続けたいとは思いません。
転勤だと仕方がないですが、何十年も住んでくれる借主もいますし、そういう方々は貸主にとってはとても貴重な存在です。
入居者の募集は賃貸経営の中では攻めの部分で、入居者の管理・維持は守りの部分になると思います。
借主が特に要望・希望を言ってこない場合はこちらから歩み寄ることはないですが、向こうから何か言ってこられた際は、耳を傾けてあげていただければ幸いです。
以上が意外と見落としやすい賃貸経営のお話になります。
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